2019/07/11

ストーリーはつづく……けど新しい物語がはじまる





「ねえ、アーサー、



またこのあいだの話のことだけどさ、



ぼく言ったよね? 



聞いてる?



それできみは「ほら、はじまるよ。」って言ってたよね。






みんながきみのことを



予言者ってよんでたのをぼくは聞いたんだ。




でもぼくは知ってる。 



きみは …….。




だってきみはちっとも未来なんて見てないじゃないか。






きみは種を見た。
 
 


そうなんでしょ?




それはどんなカタチをしていたの?






わかったよ。




たしかにひとことじゃ言えないね。
 




そして芽がでた。 



きみは気がついていたのかなあ。




ぼくも水をあげてたんだよ。






ぼくはじぶんがこの星の上にいるってずーっとおもいこんでた。



でもさいきんわかったんだ。



そうじゃなくて、



ほんとはこの星ごと、あの子のなかにいるってことが。



それどころか見えるもの見えないものぜ~んぶだよ。



もちろんきみもいっしょにね、アーサー。



もしかしてきみはもう知ってたの?







なのにどうしたわけか、そのあの子は、ぼくのなかにいるんだ。



ぼくはこんがらがっちゃって、ぜんぜんわかんないよ。


 


きみのことだから、きっと



「いくら考えてもわからないよ。」って言いたいんでしょう?



……そうだね。



でもいいんだ。



だってわかんなくたって、星はかがやくんだから。






考えてみたら、ぼくはきみのことをなんにも知らない。



だけどこうしていると、



いちばんよく知っているような気もしてくるんだからふしぎだね。






ねえ、さっきの話にもどるけどさ、



ところで、なにがはじまるの?」