「ねえ、アーサー、
またこのあいだの話のことだけどさ、
ぼく言ったよね?
聞いてる?
それできみは「ほら、はじまるよ。」って言ってたよね。
みんながきみのことを
予言者ってよんでたのをぼくは聞いたんだ。
でもぼくは知ってる。
きみは …….。
だってきみはちっとも未来なんて見てないじゃないか。
きみは種を見た。
そうなんでしょ?
それはどんなカタチをしていたの?
わかったよ。
たしかにひとことじゃ言えないね。
そして芽がでた。
きみは気がついていたのかなあ。
ぼくも水をあげてたんだよ。
ぼくはじぶんがこの星の上にいるってずーっとおもいこんでた。
でもさいきんわかったんだ。
そうじゃなくて、
ほんとはこの星ごと、あの子のなかにいるってことが。
それどころか見えるもの見えないものぜ~んぶだよ。
もちろんきみもいっしょにね、アーサー。
もしかしてきみはもう知ってたの?
なのにどうしたわけか、そのあの子は、ぼくのなかにいるんだ。
ぼくはこんがらがっちゃって、ぜんぜんわかんないよ。
きみのことだから、きっと
「いくら考えてもわからないよ。」って言いたいんでしょう?
……そうだね。
でもいいんだ。
だってわかんなくたって、星はかがやくんだから。
考えてみたら、ぼくはきみのことをなんにも知らない。
だけどこうしていると、
いちばんよく知っているような気もしてくるんだからふしぎだね。
ねえ、さっきの話にもどるけどさ、
ところで、なにがはじまるの?」